今日から始めてみました。
目で見る「220秒の世界」
初回は好評でした前回のお話。
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World170 「時間じゃない、なにか」
千紗「え?!わたし?!」
晴日「うん!!」
千紗「いやいや!わたし会ったの5年ぶりとかだよ?」
晴日「いいの!千紗に頼みたいなあってずっと思っとったんだで。こうやってプロポーズされたタイミングで久しぶりに会えたのも運命みたいなもんでしょう」
千紗「運命は旦那さんにだけ感じてればいいのに…」
晴日「とにかく!友人代表スピーチは千紗がいいんだで、お願い!!」
千紗「ええぇ〜…」
晴日「昔っからさ、翔馬くんとの結婚式を妄想するときはさ、千紗がスピーチしてお互いに泣くっていうところまでがワンセットだったもんでさ、ここまで来たらもう、その夢をかなえないわけにはいかないんだわ。ね?千紗」
千紗「って言っても、私が話せる内容なんて、高校の時で止まってるんだよ?」
晴日「大丈夫大丈夫!」
千紗「もう、適当なんだから」
晴日「…卒業して東京に行く千紗に、あたし挨拶もできんかったじゃんね。千紗にセッティングしてもらった翔馬くんとの初めてのデート失敗して、自分の失敗を自分で乗り越えれんくて、勝手に拗ねてそれで気まずくなって、千紗に嫌な思いさせて変な関係になっちゃったんだで、全部あたしのせいなのに。でも千紗はあたしに会えたことえらい喜んでくれたでしょう。ほいだでやっぱり、スピーチは千紗がいいんだわ」
千紗「…もう。わかったよ」
司会者「ここで友人代表のスピーチです。一条千紗さまお願いいたします」
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千紗「…本日は、このようなおめでたい席でこのような大役をいただき、緊張していまにも頭が真っ白になりそうです。晴日とは色々あって、5年くらいあっていなかったんですけど…。でも、晴日は久しぶりにわたしに会った時、迷わずわたしにスピーチを頼んできて。それがずっと変わらない友達だって言われたみたいで。そのまっすぐな想いがうれしくて、まぶしくって、太陽みたいで。晴日そのものだって思いました。そんな晴日のそばにいるとあったかいです。だから、翔馬さん、その晴日のあたたかさをずっと守ってあげてください。晴日がずっと太陽でいられるように、ずっと仲良く、晴日を愛してあげてください」
晴日「千紗ぁぁぁぁあ」
千紗「え?」
晴日「ちさあああ。大好きぃぃぃい!!翔馬くんより好きぃぃぃ!!」
千紗「ちょっと!縁起でもないこと言わないでよ!っていうか、夢をかなえるにしても泣きすぎでしょ〜!」
晴日「千紗、ありがとう。ずっと友達でおってね」
千紗「スピーチまでしちゃったんだから、もうずっと友達だよ」
脚本、出演 杏泉しのぶ
ゲスト出演 鈴木更紗、菱田盛之
協力 ライブハウスあさがやドラム