昔、初めて石山さんの脚本演出を受けた場所。
「元氣エンターテインメントシアター」(GET)
途中で名前が変わり、今は「怪傑パンダース」
そのファイナル公演に行きました。
感慨深いよね。
自分の去った場所のファイナル。
その場所をいままで守り続けて、駆け抜けてきたメンバーを客席から見つめる。
もうとっくの昔に、自分の場所ではないけれど、どこかに煌めきを見つけられるとやっぱり嬉しい。
こちらはプロデューサーのとゐちさんも一緒に。
とゐちさんとは実は2回共演してます。
1回目はとゐちさんのプロデュース公演。わたしはオーディション合格組で出演。
2回目はGETの旗揚げ公演。
男女別チームだから、共演、とは少し違うけれど。
わたしが劇団というものに初めてガッツリ関わった場所です。
そして石山さんと出会った場所です。(石山さんは当初GETの作演出をしてくださってました)
そのふたつの公演がなければ、いまのわたしはいません。
GETを退団する時、わたしは一度舞台を辞めました。
母の病気のことで、いつでも駆けつけたい、という気持ちが芝居をしたい気持ちより勝って。
そのあと、劇団子でスタッフをして。
母が、芝居をやめたとたんに会うたび近況を聞いてくるようになって。
わたしの覚悟は、芝居を辞めることじゃなく、最期に会えない可能性に使うものだったんだって脳天叩かれた気分になって。
そこから舞台を再開して。
劇団子オーディションがあって。
なんかねぇ。
全部が繋がってた。
わたしのなかで。
今回のファイナルで、座長だったいせひなた。彼女はGET時代のわたしの後輩でした。
劇団子復活公演を観に来てくれて、終わったあとわたしの背中に抱きついてきて泣いた彼女。
「しのぶさんが芝居してる」って。
退団したわたしが、他の場所で芝居を再開したことを、そんなふうに思ってくれる人がいる。
劇団って、そんな繋がりを作ることができる場所なのだと彼女が教えてくれました。
それから、劇団員と言うものが、劇団、と言うものが、さらに特別になった気がします。
たくさんのものをもらった場所。
そこがあと数回の公演で、なくなります。
いつまでもあると思って甘えていてはいけないと、改めて気持ちがシュッとしました。
同期も、後輩も、先輩も、劇団も。
まず。
大切にしたいものをちゃんと大切にできる人間であろう。
逃げないこと。向き合うこと。
いつなにがあっても、後悔をしないために。