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目で見る220秒の世界


久しぶりにやってみます。
「目で見る220秒の世界」
というのも、先日の朗読ナイトで大変ご好評いただいて、台本が欲しい!とのお声も多かったと聞いてしまった話があったので、調子にのりました 笑

こちら、オンエアはヤマトをわたし、リクを松田多久生さん、女の子をsalasaちゃん、ゆうを王賀奈緒さん。
朗読ナイト300話ではヤマトを中村あゆみさん、リクを菱田盛之さん、女の子とゆうをわたしでお届けいたしました(*^^*)


最後のイラストは、なんと菱田さんがイメージ画を描いてくださったもの!!
いやー!
ヤマトもリクもイメージ通りぃぃ!!!

では、どうぞ!!

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「ラブリズム」


ヤマト「なんで女ってすぐカワイイ〜って言うんだろな」
リク「道路のマンホールみても可愛いって言うもんな」
ヤマト「カワイイって何にでも使えると思ってんじゃねえ?」
リク「なにが可愛いのか、もはやカオスだってことに誰も気づかないんだよな」
ヤマト「便利なんだろな。なんでも可愛いって言っておけばいいから」
リク「確かに。ブルドック見てもカワイイ〜って言っておきゃかど立たないしな」
ヤマト「ブサカワって言うんだろ。どっちなのかもう全然わかんないよな」
リク「不細工を打ち消す威力があるってすごい言葉だな。可愛いって」
女の子「きゃ〜!カワイイ!!!よしよし!おいでおいで〜」
ヤマト「お?なんだ。オレのことかよ」
リク「おい、おまえなにしっぽ振ってんだよ」
ヤマト「ちげーよ!これは勝手に!!あっ!」
リク「なにおなかなでられて気持ちよさそうにしてんだよ」
ヤマト「これは癖なんだよ!不可抗力なんだ!」
リク「あーおまえのご主人甘やかしがすぎるもんな。犬離れできねーだめ飼い主だもんな」
ヤマト「なんだと!俺のことを悪く言ってもいいが、ご主人のことは悪く言うな!」
リク「そんなに忠犬ならほかの女に浮気してんじゃねーよ」
ヤマト「う、浮気じゃねーし!」
リク「あ、おまえのご主人」
ヤマト「ご主人様ぁ!違うんすよ!これはこいつが勝手に!!…え?ご主人様?どこに?」
リク「嘘に決まってんじゃん」
ヤマト「おまえさあ、そういうのよくねーよ?」
リク「やましいことがなきゃあわてる必要もあるまい」
ヤマト「やましいことなんかねーし。ご主人一筋だし」
ゆう「ヤマト〜。お待たせ!」
ヤマト「ご主人!おかえり!待ってた!オレ、すっげえ待ってた!ほめて!!!」
ゆう「よしよし〜。ヤマトは偉いねえ〜。いいこいいこ」
ヤマト「あー。ご主人〜」
ゆう「リクももう少しでご主人様くるからね」
リク「あ、オレまでよしよししてくれんの」
ヤマト「あ!ご主人!!そんなやつなでたら手が腐りますよ!」
リク「失礼すぎること言ってんじゃねーよ」
ヤマト「おまえ、ご主人から離れろ!ぺっぺっ!!」
リク「…おまえのほうがご主人離れ必要かもな」
ヤマト「はあ?離れねーし」
リク「おまえさ、オレの主人とおまえの主人がずっと一緒に散歩してんのなんでかわかってる?」
ヤマト「え?友達だからだろ」
リク「何でおまえはオレにヤキモチ妬くくせに人間の男はスルーなんだよ」
ヤマト「え?どういうこと?」
ゆう「もしもし。はい、そうです。あ、ハイ。ハイ。ほんとですか?よかった。はい、わかりました。じゃあ、明日伺います。ヤマト〜。新しいおうち決まったよ〜!審査通ったって!」
ヤマト「え?ご主人引っ越すの?」
ゆう「これからはずっとリクも一緒だからね。仲良くするんだよ〜」
ヤマト「え?」
リク「結婚すんだってよ。うちの主人と」
ヤマト「え?」
リク「おまえとおれ、家族になるんだってよ」
ヤマト「…」
リク「そんなにいやなのかよ」
ヤマト「お、おれ、おれ、ご主人はおれの奥さんだと思ってたんだけど、違ったの?(なきべそ)」
リク「そもそも犬と人間じゃ結婚できないじゃん」
ヤマト「え?!どういうこと?!」
リク「だから、人間は人間同士、犬は犬同士でしか結婚できないだろ」
ヤマト「え?ご主人は犬じゃないの?」
リク「おまえ本気で言ってんのか?なんの犬種に見えるんだよ」
ヤマト「にんげんって種類の犬だとおもってた」
リク「衝撃を越えて感心するな、おい」
ヤマト「ど、どうしようー」
リク「日本犬の忠実さって、ある意味罪だな」
ヤマト「だれかーご主人を犬にしてくださーい」
リク「これもカワイイと言えばカワイイのか」

目で見る220秒の世界

 


今日から始めてみました。
目で見る「220秒の世界」

初回は好評でした前回のお話。



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World170 「時間じゃない、なにか」

 

 

 

 

 

 

千紗「え?!わたし?!」

晴日「うん!!」

千紗「いやいや!わたし会ったの5年ぶりとかだよ?」

晴日「いいの!千紗に頼みたいなあってずっと思っとったんだで。こうやってプロポーズされたタイミングで久しぶりに会えたのも運命みたいなもんでしょう」

千紗「運命は旦那さんにだけ感じてればいいのに…」

晴日「とにかく!友人代表スピーチは千紗がいいんだで、お願い!!」

千紗「ええぇ〜…」

晴日「昔っからさ、翔馬くんとの結婚式を妄想するときはさ、千紗がスピーチしてお互いに泣くっていうところまでがワンセットだったもんでさ、ここまで来たらもう、その夢をかなえないわけにはいかないんだわ。ね?千紗」

千紗「って言っても、私が話せる内容なんて、高校の時で止まってるんだよ?」

晴日「大丈夫大丈夫!」

千紗「もう、適当なんだから」

晴日「…卒業して東京に行く千紗に、あたし挨拶もできんかったじゃんね。千紗にセッティングしてもらった翔馬くんとの初めてのデート失敗して、自分の失敗を自分で乗り越えれんくて、勝手に拗ねてそれで気まずくなって、千紗に嫌な思いさせて変な関係になっちゃったんだで、全部あたしのせいなのに。でも千紗はあたしに会えたことえらい喜んでくれたでしょう。ほいだでやっぱり、スピーチは千紗がいいんだわ」

千紗「…もう。わかったよ」

 

 

司会者「ここで友人代表のスピーチです。一条千紗さまお願いいたします」

 

拍手

 

千紗「…本日は、このようなおめでたい席でこのような大役をいただき、緊張していまにも頭が真っ白になりそうです。晴日とは色々あって、5年くらいあっていなかったんですけど…。でも、晴日は久しぶりにわたしに会った時、迷わずわたしにスピーチを頼んできて。それがずっと変わらない友達だって言われたみたいで。そのまっすぐな想いがうれしくて、まぶしくって、太陽みたいで。晴日そのものだって思いました。そんな晴日のそばにいるとあったかいです。だから、翔馬さん、その晴日のあたたかさをずっと守ってあげてください。晴日がずっと太陽でいられるように、ずっと仲良く、晴日を愛してあげてください」

晴日「千紗ぁぁぁぁあ」

千紗「え?」

晴日「ちさあああ。大好きぃぃぃい!!翔馬くんより好きぃぃぃ!!」

千紗「ちょっと!縁起でもないこと言わないでよ!っていうか、夢をかなえるにしても泣きすぎでしょ〜!」

晴日「千紗、ありがとう。ずっと友達でおってね」

千紗「スピーチまでしちゃったんだから、もうずっと友達だよ」

 

 

 

 

脚本、出演 杏泉しのぶ

ゲスト出演 鈴木更紗、菱田盛之

協力 ライブハウスあさがやドラム